2013年。アメリカ。"THIS IS THE END". 今年公開される『ノア 約束の舟』に出演するエマ・ワトソンがこんな不謹慎な映画に出ていて大丈夫なのか、と心配になるほどの強烈なエピソードとともに登場する。 クリストファー・ミンツ=プラッセやリアーナなどの人気芸能人も地獄に吸い込まれて消えた。
セス・ローゲン&エヴァン・ゴールドバーグ製作・監督・脚本。
ジェームズ・フランコの新築披露パーティーに多数のハリウッドスターが詰めかけていた。セス・ローゲンは親友のジェイ・バルシェルを誘ってパーティーに参加する。
クリント・イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』で脚光を浴びたものの、引っ込み思案の性格が災いしてかその後パッとしないジェイ・バルシェルに少し外交的になってほしいというセス・ローゲンの願いがそこにはあった。
しかし、集まったハリウッドスターのただれた側面を見てしまったジェイはパーティーに参加したことを後悔する。
『マネーボール』での演技が高く評価されたジョナ・ヒルは天狗になっており、友愛心に満ちた顔つきで理解力のある大物芸能人のふりをしてジェイに話しかける。
『JUNO/ジュノ』のマイケル・セラは取り返しのつかないコカイン中毒とセックス依存症により自分を見失ってしまっていた。
『ハリー・ポッター』シリーズのイメージから脱することに成功し周囲からちやほやされて有頂天のエマ・ワトソンの姿もあった。
何という醜い人々だろう、絶望したジェイがその場を立ち去ろうとした時、巨大な地震がハリウッドを襲う。
地面が二つに割れて、ただれたハリウッドスターが吸い込まれていく。一方で善なる人々は天から射した一筋の光に包まれて雲の上に昇っていく。
ついに審判の日が訪れたのだった。
地上に残されたジェイやセス、ジェームズ・フランコなどの神を信じない罰当たりなパーティー参加者たちは何とか生き延びようとフランコの豪邸に立てこもる。
IMDB
俳優が全員実名で登場して最低人間ぶりを競う、という設定の終末論コメディ映画、『ワールズエンド 酔っ払いが地球を救う』と重なるが、お笑い度数はこちらの方が高く、くだらないが笑える場面は少なくない。
もっとも強烈なのはチャニング・テイタムの登場場面で、自分を投げ捨てた演技を見せて失笑を誘った。
ジョナ・ヒルのアカデミー助演男優賞候補ネタがひど過ぎておかしかった。ジェイ・バルシェルがこの世から消えてほしいと神に祈る場面で、「あの『マネーボール』のジョナ・ヒルです。」と神にささやいたことを悪魔に知られたジョナ・ヒルは悪魔に取りつかれて怪物と化す。
果たして天国にたどり着けるのは誰なのか、というサスペンスもあるが、途中でどうでも良くなる。天国の不謹慎な描写もひど過ぎて素晴らしかった。
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★ 『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』
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