2012年。「彼女について知ることのすべて」製作委員会。
井土紀州監督・脚本。佐藤正午原作。
フィルム・ノワールっぽいパッケージがカッコいい。拳銃やジャズ、ファムファタルなどノワールの要素はそろっている。
しかし、これはフィルム・ノワールを目指して作られた映画ではなかった。
最初はファムファタル(魔性の女)に見えた女が、実はけなげな純愛に生きていたことが明らかになり、クライマックスの大逆転の後では、観音さまのようにも思われてくる。
井土紀州監督の名前は映画雑誌で見かけることがあったが、インデペンデント映画なのでなかなか見ることができない、『ラザロ』や、『ヴェンダースの友人』、『百年の絶唱』などのうわさは知ってもDVDにもなっていない状態ではカルト化するのは仕方がない。
青山真治監督の、『路地へ 中上健二の残したフィルム』に出演していたことも影響があるのかもしれない。
この映画の評判がいまひとつパッとしないのは、そうやって期待値だけが高まり過ぎたせいで、「思っていたのと違う。」と言ってがっかりした人々の戸惑いが反映しているのだろう。
実際に、がっかりするしょぼさもこの映画にはあった。フィルム・ノワールを期待すると、地方都市を舞台にした暴力団がらみのせこい情痴犯罪事件に過ぎないようにも見えることに不安を抱くかもしれない。
最後のお墓参りのシーンになって、ようやくフィルム・ノワールの枠から解放されて自由になり、魔性の女だと思っていた女性が、よくわからない得体のしれない存在になる。
公式サイト(日本)
愛した女には愛人がいた。脅迫。暴力。殺害計画。男は断念し、女は実行した。思いがけない結末。ふたりを待つ現実。切ない思い。(Amazonの原作紹介より。)
三浦誠己、笹峯愛主演。
ときどき聴こえる耳ざわりなサックスの音は、若松孝二映画での阿部薫を連想させもする。
主演のふたりがなかなか良い。
脇に登場する女優にも何か意味ありげで気がかりな人が何人かいた。
思っていたものとは違っていたが、これはこれでまあ面白かった。
井土紀州監督・脚本。佐藤正午原作。
フィルム・ノワールっぽいパッケージがカッコいい。拳銃やジャズ、ファムファタルなどノワールの要素はそろっている。
しかし、これはフィルム・ノワールを目指して作られた映画ではなかった。
最初はファムファタル(魔性の女)に見えた女が、実はけなげな純愛に生きていたことが明らかになり、クライマックスの大逆転の後では、観音さまのようにも思われてくる。
井土紀州監督の名前は映画雑誌で見かけることがあったが、インデペンデント映画なのでなかなか見ることができない、『ラザロ』や、『ヴェンダースの友人』、『百年の絶唱』などのうわさは知ってもDVDにもなっていない状態ではカルト化するのは仕方がない。
青山真治監督の、『路地へ 中上健二の残したフィルム』に出演していたことも影響があるのかもしれない。
この映画の評判がいまひとつパッとしないのは、そうやって期待値だけが高まり過ぎたせいで、「思っていたのと違う。」と言ってがっかりした人々の戸惑いが反映しているのだろう。
実際に、がっかりするしょぼさもこの映画にはあった。フィルム・ノワールを期待すると、地方都市を舞台にした暴力団がらみのせこい情痴犯罪事件に過ぎないようにも見えることに不安を抱くかもしれない。
最後のお墓参りのシーンになって、ようやくフィルム・ノワールの枠から解放されて自由になり、魔性の女だと思っていた女性が、よくわからない得体のしれない存在になる。
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愛した女には愛人がいた。脅迫。暴力。殺害計画。男は断念し、女は実行した。思いがけない結末。ふたりを待つ現実。切ない思い。(Amazonの原作紹介より。)
三浦誠己、笹峯愛主演。
ときどき聴こえる耳ざわりなサックスの音は、若松孝二映画での阿部薫を連想させもする。
主演のふたりがなかなか良い。
脇に登場する女優にも何か意味ありげで気がかりな人が何人かいた。
思っていたものとは違っていたが、これはこれでまあ面白かった。
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