★　『ストリーマーズ/　若き兵士たちの物語』

1983年。アメリカ。"STREAMERS".
　　ロバート・アルトマン監督。デヴィッド・レーブ原作。
　映画の冒頭のつかみとして使われているサイレント・ドリル・チームの演舞がカッコいい。このカッコ良さには抗えない魅力を感じる。
　どういう経緯でこういうダンスチームの一種がアメリカの海兵隊（？）に創られたのか知らないが、軍隊を魅力的に見せるための、広告宣伝のひとつとして重要な役割を担っているのは間違いない。
　サイレント・ドリルの緊張感がそのまま物語にも引き継がれる。舞台劇をそのまま映画化したものなので、カメラは部屋の中から一歩も外に出ない。
　ワシントンにある海兵隊の訓練所が舞台となっている。そこで引き起こされた殺人事件をめぐるドラマ。

　事件が終わった後で、ひとりの兵士が殺された兵士を探しに現れる。彼は死んだ兵士といっしょに隠れんぼうをして遊んでいたが、いつまでも捜しに来ないので戻ってきたのだった。
　彼は白血病でまもなく死ぬと医者に宣告されているが、自分ではそのことが信じられないと言う。
　しかし、それ以来考え方が変わり、いまでは仲間にホモセクシャルの兵士がいても気にしないと言う。

　そして兵士は「ビューティフル・ストリーマーズ（美しい流れ）」という歌を口づさむ。兵隊たちの間で歌い継がれてきた歌で、パラシュートが開かずに地上に墜ちて死ぬ不幸な兵士は、墜ちるときに美しい流れをえがいて墜ちていく、という歌である。
　　　　　　　　　　　　IMDB

　訓練所に若い黒人カーライル（マイケル・ライト）が現れてから、物語が動きはじめる。自分が何をすればいいのかわからないカーライルは、自分の内部に暴力を吹き荒らせながら生きてきた男で、ひたすらにしゃべり続ける。
　カーライルは自分がホモセクシャルであることを公言する。
　カーライルが現れたことで兵舎の新兵たちの間に異様な緊張関係が生じてくる。
　黒人兵、白人兵、ホモのふりをしていた白人兵士、戦場帰りの古参兵士などの間で会話劇がはじまり、
　やがてカーライルは侮辱された怒りで白人兵士をナイフで刺す。古参兵士がカーライルを取り押さえるが、酔っ払ってふらついているすきに、カーライルに刺し殺される。

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