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Channel: 映画の感想文日記
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★ 『One Night,One Love/ ワンナイト、ワンラブ』

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2011年。イギリス。"YOU INSTEAD".
  デヴィッド・マッケンジー監督。ユージン・ケリー音楽。
 英国で最大級のロックフェス、「T・イン・ザ・パーク」を舞台に、アクシデントで出会ってしまったミュージシャン同士の恋を描いた映画。
 実際にロックフェスの現場を利用して短期間で撮影されたものらしく、会場の観客の様子を映し出す映像が中心で、恋愛ドラマはおまけのような感じもするあっさりとした作品だった。
 主演の二人はミュージシャンではなくプロの俳優だが、いかにもミュージシャンっぽい振る舞いを身に着けて成りきっている。
 撮影されたのは2010年のフェスティバル会場で、プロディジーが通りかかったり、有名なミュージシャンもちらほらと映っていたようだったが、UKの音楽に疎くなって久しいので、知らない音楽ばかりが流れていた。深夜になってからのテクノの音にはおっ、これはカッコいいと一瞬思ったりもしたが、総じて退屈な印象があった。興味を失ってしまった、ということなのだろう。

 今は日本でもまさにロックフェスの季節だが、フジロックにもサマソニにも足を踏み入れたことすらなく、地方のマイナーなイベントしか経験のない者には夢のような空間が広がっていた。10万人が1か所に集合している風景は実際に体験してみないことには感じようがない世界だろう。

 主役の二人にいまひとつ魅力を感じられなかったせいか、会場のドキュメンタリー的な部分の方に興味が向かいがちだったが、複雑な四角関係のままにベッドに入る場面など、それなりにドラマチックな出来事は起こっていた。
     IMDb
  公式サイト(日本)

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 アメリカからやって来た大スターのエレクトロ・ポップ・ユニット、「ザ・メイク」のヴォーカルのアダム(ルーク・トレッダウェイ)は無名のガールズ・バンド、「ダーティ・ピンクス」のモレロ(ナタリア・テナ)とちょっとしたことで口論になった。
 二人は仲裁に入った牧師みたいな男に冗談半分に手錠をかけられてしまう。牧師みたいな男はどこかへいなくなり、仕方なくアダムとモレロは反発し合いながらも行動を共にせざるを得なくなった。
 始めはいがみ合ってばかりいた二人だったが、ずっと一緒にいる内にお互いへの理解が深まってくる。

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 「ザ・メイク」の曲も「ダーティ・ピンクス」の曲もかなりダサいイメージが強かったが、ダーティ・ピンクスの曲にはヴァセリンズのユージン・ケリーが手を加えているらしく、ヴァセリンズっぽい感じもあった。
 この映画がヒットしなかった理由は音楽に魅力が乏しかったからではないか、という気もするが、好みの問題なのでよくわからない。深夜にギターの弾き語りをする女性シンガーの曲はけっこう好きだった。
 ヴァセリンズに音楽を担当させたこと自体に問題があったのかも知れない。嫌いではないバンドだっただけに残念だが、今はヴァセリンズの時代ではない。

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 アダムと恋に落ちるモレロよりもアダムの元カノで元ジャンキーのスーパーモデル、レイクを演じていたルタ・ゲドミンタスという女優の方に魅力を感じた。
 現実にはアダムを演じたルーク・トレッダウェイと彼女はこの映画での共演がきっかけで本物の恋人同士になったらしく、やっぱりそうだ、その選択が正しいはずだ、とどうでもいいことを思った。


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