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Channel: 映画の感想文日記
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★ 『マジック・マネー』

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2012年。アメリカ。"The Brass Teapot".
  ラマー・モーズリー監督。ティム・メイシー脚本・製作。
 痛みが現金になって現われる魔法のお茶瓶を手に入れた若夫婦が巻き込まれる騒動を、マイケル・アンガラノとジュノー・テンプルの二人を主演にして描いたドラマ。
 マイケル・アンガラノ君が夫役でジュノー・テンプルが妻役という組み合わせは一見して完璧なカップルに映る。
 1950年の青春ギャング映画、『拳銃魔』の駄目カップルを思わず連想してしまう完璧なだめさを持っている。あまりに完璧なので作品の出来はどうでも良くなってしまうくらいに素晴らしい夫婦だった。
 夫婦の周辺の人々、アレクシス・ブレデルやアリア・ショウカットなども良い塩梅の駄目人間ぶりを見せていて、いろいろなシーンを細切れにして見ると面白いところだらけなのだが、全体としてはかなり駄目な映画である点が主役の二人の駄目さ加減と重なり合って捨て難い魅力をもたらしている。
 クライマックスで大勢死人が出るのはコメディ映画としてバランスが悪い、物語が進むにしたがって雑になるなどの欠点が目立つが、その割にはそれほど悪い作品には思えないのは不思議な気もする。

 ジュノー・テンプルとマイケル・アンガラノという組み合わせは素晴らしいのでこのドラマだけで終わらせるのはもったいない。駄目夫婦の冒険シリーズとして続けていってもらいたいような心持ちになった。
    IMDB

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 アリス(ジュノー・テンプル)は心の病を抱えながら夫のジョン(マイケル・アンガラノ)と貧しいながらも幸福な生活を送っている。
 アリスは優秀な学業成績だった過去のことが忘れられずに自分にふさわしいと思う一流企業に履歴書を送っては断られるという奇妙な行動を止めることが出来ないでいた。
 ジョンは電話で商品を売りつける通販会社の社員だったが、営業成績の不振が続き不況を理由に解雇されてしまう。
 ある日、骨董店で見つけた美しいお茶瓶に魅了されたアリスはそのお茶瓶を盗んでしまった。そのお茶瓶は人の痛みを現金に変えてしまう魔法のお茶瓶だった。そのことに気づいたアリスとジョンは身体のあちこちを自分で痛めつけることを繰り返し、あっという間に大金持ちになった。
 やがて、二人は魔法のお茶瓶が物理的な痛みだけではなく、心の痛みにも反応することを知り、お互いに心を傷つけあうような言葉をぶつけ合う。
 アリスが、夫にきついことを言われて相当に傷ついているのに平静を装おうと努力しているさまが健気でかわいらしく、そのシーンのジュノー・テンプルのキュートさは優れている。

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